和太鼓は、祭り、盆踊り、郷土の芸能の中、そして神社や仏閣にもあり、日本の生活に溶け込んで大切にされてきました。
打てば響くことで、誰でもが楽しめる上、組太鼓という形式では、たくさんの人々が自分の役目を果たすことで調和し、音楽が仕上がっていく、という不思議な力を持つ音楽です。

さとおと太鼓研究所でお伝えしている和太鼓打法は、組太鼓という芸能を創始した御諏訪太鼓の創始者からの直伝の「組太鼓打法」と、その系統に武道の要素を取り入れた山本流日本太鼓塾の創始者からの直伝の「古式打法」、そして太鼓を打ちながら唄う打法の創始者からの直伝の「太鼓唄」、そして研究所独自の女性の打法「さとおと打法」を中心に日本各地の伝統的な和太鼓打法を取り入れています。

大きな音と振動でけがれをはらい、大地にしっかりと両足をつけて踏み込む股割り、丹田の意識、そして両手を上にあげることで背筋を鍛え、こころもからだも魂もいきいきと過ごしましょう。

●初心者の皆さん

まずは、バチの持ち方、構え方から、ひとつひとつ丁寧におこないます。
基礎のリズムを打てるようになったら、まずは1曲目にチャレンジ!
楽しく曲を打ちながら、楽器に慣れ、基礎打法を習得していきます。
その後は、以下の流れで、和太鼓の音圧に負けない身体づくりをしながら、発声も組み合わせ、全身を整えていきます。

1、組太鼓打法、組太鼓基本曲
2、さとおと打法(民謡・古典的な太鼓の打法を組み合わせたもの)、さとおと打法基本曲
3、歌のおけいこ(基本的な民謡を楽しみます)
4、ストレッチ・ヨガを取り入れた整体法
5、古式打法、古式打法基本曲

【必要なもの】
長胴太鼓・締太鼓兼用のバチ
教本

●2年目の皆さん

「打ち込み3年」という言葉が「鼓道十訓」にありますが、1年目はあっという間に楽しく過ぎてしまう方が多いようです。
いよいよ2年目となると、段々と音が聞こえてきたり、周囲を見ることができるようになります。
1年目で早い段階から身体作りに取り組み、運動しながら唄うという実はとても過酷なトレーニングを音楽を通して行っているため、みんな、自然と体力がついてきます。また1年目で神社奉納や舞台への参加にチャレンジし、楽器のこともわかって来たところ。
2年目では、これまでワイワイと楽しくお稽古していたところから、本来の稽古の仕方を学びます。
本道場では、入室の際の挨拶などを始め、組太鼓以前の日本の伝統音楽形式、伝統音楽で使用される楽譜、楽器配置図など、音楽を取り囲む基礎知識について学んでいきます。

1、組太鼓打法、組太鼓基礎曲〜本来の稽古の仕方を学ぶ
2、古式打法、古式打法基本曲
3、郷土芸能のおけいこ
4、日本の伝統芸能(雅楽、民謡、浄瑠璃、能楽、長唄など)の中の太鼓や楽器、音の鑑賞、講座

【必要なもの】
民謡太鼓のバチ
教本



●3年目の皆さん

祭りや舞台も体験して、少し和太鼓のことや舞台のことに詳しくなってきたところ。
1年目からコツコツと積み上げてきた基礎体力が花開き、身体が自由に動くようになって楽しい時期です。
ここからは体力をさらにつけていくために沖縄エイサー、古武道、剣舞など、足腰をしっかりと使う演目や特別稽古を取り入れていきます。また、これまで、なるべく五線譜を使わずに行ってきた稽古に、五線譜や笛、三味線などのメロディ楽器を加えていきます。
また、日本が誇る和歌などの文化や能、浄瑠璃などの鑑賞を通して、日本独自の発声や音づくり、舞台鑑賞を楽しめる基礎知識を学びます。

1、郷土の太鼓を学ぶ
2、古武道や剣舞などの動きの入った演目に取り組む
3、日本の伝統芸能(雅楽、民謡、浄瑠璃、能楽、長唄など)の中の太鼓や楽器、音の鑑賞を実際に行う
4、楽器の製作所などを訪ねて歴史を知る
5、地域の祭り、直会などに奉納など通して触れる

【必要なもの】
大太鼓バチ
教本

●郷土芸能継承者、地域リーダーを目指す皆さん

郷土芸能の継承者となるには、まず地域の継承者の方々とともに、代々行われてきた祭り、準備、直会などの様々な行事を知ることからスタートします。実際に現地に入り、継承者の方と共に継承活動を続けたり、祭りにも参加します。

●講師を目指す皆さん

講師を目指す方は、講師育成の専門課程を1年間、受講後、師匠と一緒に現場の施設に入っての指導研修を1年以上行います。
この過程を繰り返し、基本的に施設、学校、グループを3年以上、継続して指導できる力を得たところで、個人でも独立して、学校や施設などの講座を担当していただきます。
講師の中には、作業療法、音楽療法、児童の専門指導など、特化した技術を要するメンバーもいます。
講師陣は「講師会」というオンライン講習会を月1回行い、それぞれの担当クラスについて話し合いを設け、音楽科学など専門的な音の勉強も行い時代にあった新しい手法を磨くことを継続しています。