【日本文化は足もとの郷土芸能から】
ふるさとの芸能は、その地に伝わる伝説、土地の情報など、私たちの祖先が次世代に伝えて来て下さった大切な文化。
世界の多くの先住民族は、自然とともに生きる方法や、自分たちを守る術をカタチ(日本でいう型)や口伝に込めて伝えてきました。
私たちの教室は、もともと、故郷の芸能が持っていた世代間交流の場を再現することを目標に2010年から地域の郷土芸能、祭り、伝統産業のフィールドワークと継承活動を行い、大切な文化を残しながら新しい形に蘇らせる創作活動を展開してきました。

【研究所の創立】
10代から和太鼓を追って日本中を歩き、長野県の御諏訪太鼓で修業後、和太鼓の専門家として日本音楽、和太鼓全般の記事を企画・取材・執筆していた足立七海が、2010年、全国的に郷土芸能が消えていることに気づき、その理由を探るため、また消えゆく芸能の形をとどめておきたいと、「日本のふるさと音めぐり」を企画。
音楽雑誌編集長、民俗音楽学者などの専門家の皆さんのアドバイスをもとに、写真家、ウェブクリエイター、野菜ジャーナリスト、イラストレーターなど多くのクリエイターと共に取材がスタートしました。

当時、インターネットが普及していたとは言え、クリエイターにとって地方で仕事をする手段がなかった時代、都市部で行っていた音楽活動をすべて引退。数十年ぶりに戻った故郷で、郷土芸能者を探し、そのもとに通い、みずから継承を行いはじめます。

最初は神社の弓道場の吹きさらしの場所、400年前の蔵、民家など稽古場を転々としながら楽器2つ、生徒2人との歩みがスタート。当時の企画者仲間から贈られた名前が「響 さとおとひびく」です。

歩みの中で、一極集中型の社会の在り方により、都市部と地方の格差が大きくなっていることを知り、世代が断絶することで文化が途絶え、一つが消えれば、他の全ても消えていくと言うことにきづきます。
また、郷土芸能の高齢化、祭りの消滅は、農・漁・林という自然とともに生きてきた人々の高齢化や機械化により協力の体制が消えたこと、それにより最終的に日本から消えた最も大きなものは、「感謝」と「祈り」であるときづきます。
2010年から、和太鼓教室を主軸に、地域に深く根差しながら、土地のことを深く知る人を地域や様々な業界の中に育てていくことが重要だと人材育成に尽力します。
そして子どもたちが最初に触れる土地の中に、日本の楽器や文化がなければ、その上は成り立たないときづき、郷土芸能や祭りの復活、継承活動を教室生ぐるみで行ってきました。

【今まで行ってきた故郷の芸能・祭り復活】
●播州音頭 BANSHU-ONDO /兵庫県三木市/2010年〜
播州各地で受け継がれている音頭で、音頭取り2人と太鼓打ち1人の3人編成で盆踊りの会場を盛り上げます。


●獅子舞 SHISHIMAI/兵庫県神戸市西区神出町/2021年〜
神戸市西区で大変盛んな獅子舞。
継承が途絶えてしまった土地の若者が中心となり復活を試みています。

●武陣太鼓(武者行列)BUZIN-TAIKO/兵庫県三木市/2012年〜

地域の祭りを若者の手で盛り上げるための新芸能を当教室と地域団体、県立高校の3者で立ち上げ
2012年から約10年にわたり県立高校の生徒会有志で盛り上げてきました。
●淡路島の盆踊り BonOdori/兵庫県淡路市/2022年〜

【新たな舞台作品として甦らせる】
研究所が一貫して行って来たのが、以下の3つです。
1、郷土文化を丸ごと保存する(文書記録・録音・撮影)
2、郷土文化を人を通して受け継ぐ(継承者について学び伝える)
3、郷土文化を受け継ぐための新たな芸能を創る
1だけを行うと、ただ文書や記録だけが残り、それを復活させるのは難しくなります。2だけ行うと、芸能も文化も人それぞれの解釈で継承者のフィルターを通すことになるので、全く異なるものに変化していく可能性があります。3だけ行うと、そもそもの芸能の本質から離れて根っこのない草のようになります。
3つを同時に行うことで、人から人への継承、その過程で1を理解し、3に生かすことができます。
このことから、3つを同時に行い、現代の人々にも伝わりやすい形態を常に持ち合わせながら歩んで来ました。
【新しい作品づくり】
●みずほの国の米のうた
→詳しい記事や動画はコチラ
https://note.com/namistage/n/n3e5fb32e33eb

●武陣太鼓「出陣」「さつき囃子」
→詳しい記事はコチラ
https://note.com/namistage/n/n2b7e2ed9cdac
